Nスぺ「人体」プロローグ
- 2017/10/03
- 17:00
NHKスペシャル「シリーズ人体」プロローグ
2017.9.30(土)放送の要約です。
はじめに
これまでの人体のイメージは、脳が人体の司令塔
他の臓器はそれに従うというもの、ところが
最新科学はその常識を覆し、体中の臓器が情報を
直接やり取りして、私たちの体は成り立っている
という事実が明らかになった。
さらに、深刻な病気は臓器同士の「会話」の異常
によって引き起こされていることもわかった。
結果、がん、認知症、高血圧、メタボ、アレルギー
骨粗しょう症、関節リウマチなどの病気を
臓器の会話を操って治すという全く新しい
治療法が成果をあげ、医療の世界に大革命が
起きている。
人体は巨大なネットワーク
ミクロの細胞を丸ごとスキャンしPC上に再現
するという新時代の顕微鏡(格子光シート顕微鏡)の
出現により、生きた細胞をありのまま見ることが
できるようになり、臓器同士の会話がわかるよう
になった。
一例として、腸の細胞からミクロの物質が放出
され、血液の流れに乗って全身に運ばれ、脳、胃
すい臓など他の臓器に腸からのメッセージを
伝える役目をするという、腸のメッセージ発信
の瞬間を捉えることもできた。
全身の臓器からメッセージ物質を放出
メッセージ物質は、血液の中を流れ他の臓器に
至り、他の臓器はそれぞれの反応をすることに
なる。
以前は、メッセージ物質を出すのは脳などの限
られた臓器だけだと考えられていた。
脳が出す物質はホルモンと言われるが、それが
脳以外の臓器、心臓でも発見された。
心臓がホルモン(ANP)を出す
脳の細胞内にホルモンが入るカプセルがあるが
同様なものが脳以外の臓器、心臓で発見された。
心臓に本当にホルモンがあるのか、調べたところ
メッセージを伝える物質が入っていることがわか
り、ANPと名付けられた。
心臓はどんなメッセージを出しているのか?
例えば、血圧の上昇により心臓に負担がかかると
心臓の細胞はメッセージ物質ANPを大量に放出
し、血液により腎臓にいく。
腎臓の細胞にはANPをキャッチする装置があり
受取ると腎臓は「尿の量」を増やす。
体の水分を外に出し血液量を減らし、心臓の負担
を軽くする。
ここでは脳の介在はなく、心臓と腎臓が直接会話
しながら助け合っている。
ANPのさらなる働き
その後、メッセージ物質ANPの更なる働きが
判明し、がん治療の世界に革命をもたらしつつ
ある。
がん手術の際にANPを投与すると、その後の
がんの再発・転移を抑えることがわかり、ANPが
新しい薬として利用されている。
このことは、ANPが腎臓以外にも作用した結果
であり、ANPが心臓から出て全身の血管に作用
して、血管を守ったということが言える。
がんの転移を防ぐ
実は血管の細胞にもANPを受取る装置がある。
ANPを受取ると血管は血管内のささくれを修復
して、心臓を楽にする。
このことを上手く利用して「がんの転移」を防ぐ
ことができるという。
なぜなら、血管の傷んだ所からがん細胞が入り
起こるのが、がんの転移だからだ。
心臓以外の臓器が出すメッセージ
心臓以外にも、腎臓が出すメッセージ物質(EPO)は
酸素が足りなくなった時にアスリートの持久力を
アップさせる重要な働きをしている。
更に、ただの油だと思われていた脂肪も
メッセージ物質(レプチン)を出していて、それが
脳に働きかけて食欲・性欲をコントロールして
いることもわかってきた。
人体は、まさに様々なメッセージ物質のやり取り
による、臓器同士の会話によって成り立っていた
のだ。
血管の役目
血管は血液を流すだけではなく、メッセージを
流す情報回路であり人体は巨大なネットワーク
と同じだという考えが、様々な病気の治療戦略
に影響してきている。
臓器たちの会話を解き明かすことで全く新しい
薬の開発が可能になるという。
新たながん検診方法
日本でもがん研究分野での新たな成果がある。
13種類のがんの早期発見診断が実用化に向けて
スタートした。
これまでのがん検診は、がんごとに異なる方法で
調べるので負担が多く、早期発見も難しい。
それがたった一滴の血液を調べるだけで13種類
ものがんを早期発見できるという、画期的な検査
手法が生み出された。
しかも、判定精度は95%以上だという。
実は、この検査で調べるのも血液中を巡る
メッセージ物質なのである。
メッセージを発しているのは、憎きがん細胞
つまり、がん細胞からのメッセージをキャッチ
して判定する。
がん細胞が分泌する物質「エクソソーム」
エクソソーム(直径一万分の一程のカプセル)
がん細胞は、このカプセルの中に
あるメッセージ物質を隠して全身に送り出す。
エクソソームはがんの重要な武器
例えば、乳がんは通常はがんができ難い脳に
転移するが、その理由もエクソソームの働きで
説明がつく。
元々、脳の血管の壁には厳重なバリアがあり
がん細胞は脳の中へは入れない。
そこで乳がんの細胞は、血液中にエクソソーム
を放出し、血管の壁の細胞へと送り込む。
血管の壁は、これをがん細胞のものとは知らず
カプセルを開封する。
すると、中にあるメッセージ物質が仲間のふり
をしてバリアを弛めてという。
乳がん細胞は、バリアが弛んだ部分から脳の
内部に侵入し転移することになる。
新たながん検診、3年後の実用化を目指す
がん細胞から放出されるエクソソームは
がんの種類により異なることがわかっている
ので、それを調べればどんながんが潜んでいる
のかがわかる。
13種類のがん
神経膠腫、食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん
前立腺がん、肉腫、乳がん、胃がん、すい臓がん
大腸がん、膀胱がん、卵巣がん
3年後の実用化を目指している。
感想
出演している山中(伸弥)教授が
「これだけわかってきたといっても
全部が100なら、まだ10位しかわかっていない」
と言っていたのが印象に残ります。
医学の道は、先が長いということだと思います。
とりあえず、新たながん検診の実用化でバリウム
や便検査からの解放を期待します。
スポンサーリンク
2017.9.30(土)放送の要約です。
はじめに
これまでの人体のイメージは、脳が人体の司令塔
他の臓器はそれに従うというもの、ところが
最新科学はその常識を覆し、体中の臓器が情報を
直接やり取りして、私たちの体は成り立っている
という事実が明らかになった。
さらに、深刻な病気は臓器同士の「会話」の異常
によって引き起こされていることもわかった。
結果、がん、認知症、高血圧、メタボ、アレルギー
骨粗しょう症、関節リウマチなどの病気を
臓器の会話を操って治すという全く新しい
治療法が成果をあげ、医療の世界に大革命が
起きている。
人体は巨大なネットワーク
ミクロの細胞を丸ごとスキャンしPC上に再現
するという新時代の顕微鏡(格子光シート顕微鏡)の
出現により、生きた細胞をありのまま見ることが
できるようになり、臓器同士の会話がわかるよう
になった。
一例として、腸の細胞からミクロの物質が放出
され、血液の流れに乗って全身に運ばれ、脳、胃
すい臓など他の臓器に腸からのメッセージを
伝える役目をするという、腸のメッセージ発信
の瞬間を捉えることもできた。
全身の臓器からメッセージ物質を放出
メッセージ物質は、血液の中を流れ他の臓器に
至り、他の臓器はそれぞれの反応をすることに
なる。
以前は、メッセージ物質を出すのは脳などの限
られた臓器だけだと考えられていた。
脳が出す物質はホルモンと言われるが、それが
脳以外の臓器、心臓でも発見された。
心臓がホルモン(ANP)を出す
脳の細胞内にホルモンが入るカプセルがあるが
同様なものが脳以外の臓器、心臓で発見された。
心臓に本当にホルモンがあるのか、調べたところ
メッセージを伝える物質が入っていることがわか
り、ANPと名付けられた。
心臓はどんなメッセージを出しているのか?
例えば、血圧の上昇により心臓に負担がかかると
心臓の細胞はメッセージ物質ANPを大量に放出
し、血液により腎臓にいく。
腎臓の細胞にはANPをキャッチする装置があり
受取ると腎臓は「尿の量」を増やす。
体の水分を外に出し血液量を減らし、心臓の負担
を軽くする。
ここでは脳の介在はなく、心臓と腎臓が直接会話
しながら助け合っている。
ANPのさらなる働き
その後、メッセージ物質ANPの更なる働きが
判明し、がん治療の世界に革命をもたらしつつ
ある。
がん手術の際にANPを投与すると、その後の
がんの再発・転移を抑えることがわかり、ANPが
新しい薬として利用されている。
このことは、ANPが腎臓以外にも作用した結果
であり、ANPが心臓から出て全身の血管に作用
して、血管を守ったということが言える。
がんの転移を防ぐ
実は血管の細胞にもANPを受取る装置がある。
ANPを受取ると血管は血管内のささくれを修復
して、心臓を楽にする。
このことを上手く利用して「がんの転移」を防ぐ
ことができるという。
なぜなら、血管の傷んだ所からがん細胞が入り
起こるのが、がんの転移だからだ。
心臓以外の臓器が出すメッセージ
心臓以外にも、腎臓が出すメッセージ物質(EPO)は
酸素が足りなくなった時にアスリートの持久力を
アップさせる重要な働きをしている。
更に、ただの油だと思われていた脂肪も
メッセージ物質(レプチン)を出していて、それが
脳に働きかけて食欲・性欲をコントロールして
いることもわかってきた。
人体は、まさに様々なメッセージ物質のやり取り
による、臓器同士の会話によって成り立っていた
のだ。
血管の役目
血管は血液を流すだけではなく、メッセージを
流す情報回路であり人体は巨大なネットワーク
と同じだという考えが、様々な病気の治療戦略
に影響してきている。
臓器たちの会話を解き明かすことで全く新しい
薬の開発が可能になるという。
新たながん検診方法
日本でもがん研究分野での新たな成果がある。
13種類のがんの早期発見診断が実用化に向けて
スタートした。
これまでのがん検診は、がんごとに異なる方法で
調べるので負担が多く、早期発見も難しい。
それがたった一滴の血液を調べるだけで13種類
ものがんを早期発見できるという、画期的な検査
手法が生み出された。
しかも、判定精度は95%以上だという。
実は、この検査で調べるのも血液中を巡る
メッセージ物質なのである。
メッセージを発しているのは、憎きがん細胞
つまり、がん細胞からのメッセージをキャッチ
して判定する。
がん細胞が分泌する物質「エクソソーム」
エクソソーム(直径一万分の一程のカプセル)
がん細胞は、このカプセルの中に
あるメッセージ物質を隠して全身に送り出す。
エクソソームはがんの重要な武器
例えば、乳がんは通常はがんができ難い脳に
転移するが、その理由もエクソソームの働きで
説明がつく。
元々、脳の血管の壁には厳重なバリアがあり
がん細胞は脳の中へは入れない。
そこで乳がんの細胞は、血液中にエクソソーム
を放出し、血管の壁の細胞へと送り込む。
血管の壁は、これをがん細胞のものとは知らず
カプセルを開封する。
すると、中にあるメッセージ物質が仲間のふり
をしてバリアを弛めてという。
乳がん細胞は、バリアが弛んだ部分から脳の
内部に侵入し転移することになる。
新たながん検診、3年後の実用化を目指す
がん細胞から放出されるエクソソームは
がんの種類により異なることがわかっている
ので、それを調べればどんながんが潜んでいる
のかがわかる。
13種類のがん
神経膠腫、食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん
前立腺がん、肉腫、乳がん、胃がん、すい臓がん
大腸がん、膀胱がん、卵巣がん
3年後の実用化を目指している。
感想
出演している山中(伸弥)教授が
「これだけわかってきたといっても
全部が100なら、まだ10位しかわかっていない」
と言っていたのが印象に残ります。
医学の道は、先が長いということだと思います。
とりあえず、新たながん検診の実用化でバリウム
や便検査からの解放を期待します。
スポンサーリンク
スポンサーサイト