「肺炎」について復習
- 2020/04/09
- 12:05
「肺炎」について復習
猛威を振るっているコロナウイルスです
が、新型コロナウイルス肺炎については
今後解明されていくものと思われます。
それでは、コロナウイルスによるもので
はない、通常の肺炎についてはどうでし
ょうか?
意外と知らないことが多いと思います。
そこで、今回は通常の肺炎についてまと
めたものを過去の記事から紹介します。
肺炎が危ない
心筋梗塞や脳梗塞に比べれば地味ですが
日本人の死因順位第3位になっているのが
肺炎です。
年寄りや抵抗力の落ちた人がかかる病気と
思われがちですが、態様によっては高齢者
だけとは限らず、風邪の症状と見過ごされる
こともあることから、注意が必要です。
また、以前TVのスポットCMで
「肺炎球菌ワクチン接種のお知らせ」が流れ
ていたので、何だろうと思った人もいると思い
ます。
その辺のところ
テレ東「主治医が見つかる診療所」(2017年放送)
での内容の要約を中心にお伝えします。
(参考)
平成28年死因順位(厚労省統計より)
1 悪 性 新 生 物 (がん)
2 心 疾 患
3 肺 炎
4 脳 血 管 疾 患
5 老 衰
6 不 慮 の 事 故
7 腎 不 全
8 自 殺
9 大 動 脈 瘤 及 び 解 離
10 肝 疾 患
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、食べ物や唾液などが誤っ
て食道ではなく気管に入り、肺に入った細菌
が繁殖することで起こる肺炎です。
高齢者や脳梗塞の後遺症がある患者など
飲食物を飲み込む嚥下機能が衰えている人
に起こりやすく、誤嚥による肺炎を繰り返すと
抗生物質が効きにくくなるため治療が困難で
死に至るケースもあるとされます。
番組のケース
番組では、40代の男性が誤嚥性肺炎にかか
った事例を紹介し、高齢に限らず誤嚥性肺炎
になる場合があることを説明していました。
強い寒気と39度の高熱症状から、風邪と判断
し市販の風邪薬で対処していたところ、その後
の検査で肺に影が見つかったという事例です。
診断結果は、誤嚥性肺炎です。
なぜ、40代で発症したのか?
隠れ誤嚥の存在
隠れ誤嚥とは、自分では誤嚥したことに気付
いていないということです。
食事中に起こるのだけが誤嚥ではない
睡眠中に細菌を含んだ唾液を気付かず飲み
込むことで、誤嚥性肺炎になることもあります。
実際に誤嚥性肺炎を起こす人の7割は
隠れ誤嚥といわれます。
隠れ誤嚥の原因
年齢とともに、飲み込む力(喉の力)が落ちる
からです。
40代から喉の力は衰えるといわれます。
喉の力の衰えは、喉仏の位置が下がること
でわかるそうです。
40代から、多くの人で喉仏の位置の低下が
見られます。
喉の力の衰え⇒隠れ誤嚥
生活習慣にも原因あり
事例の場合,睡眠時無呼吸症候群があり
うつ伏せまたは、横向きで寝るという習慣が
ついていたため、胃酸が逆流しやすい姿勢
となっていました。
横向き寝について補足説明
胃は左の方にループ(膨らみがある)して
いるため、右向き(右が下)は危なく、左向き
(左が下)では、食べ物や胃酸などは逆流し
にくいということになります。
アルコールの影響
事例では、さらに、アルコールを飲んですぐ
寝る習慣があリ、アルコールを飲むことに
よリ、飲み込む力、筋力が弱まるため、誤嚥
しやすい状態にありました。
予防法は?
口腔内衛生を保つこと
歯周病菌が唾液と共に肺に入り、肺炎を
起こす場合もあります。
右向きに寝ない
胃は左の方にループしているため
前述説明による。
誤嚥の予防に重要な働きをする栄養素
それは、葉酸です。
嚥下反射、せき反射が衰えると気管に
入ってしまいますが、このせき反射に葉酸
が大事な働きをします。
葉酸が足りなくなると、飲み込む力が低下
する場合があります。
葉酸は、ホウレンソウ、キャベツ、イチゴ、アボガドなど
に含まれますが、熱に弱く水に溶けやすい
ので、生食(サラダなど)が適だそうです。
あご押上げ体操
喉仏の周囲の筋肉を鍛える
アゴの下に両手の親指を当て、アゴと親指
で押し合い、口を横に広げ「イ-」と10秒間
声を出す。(1日5回)
ベロまわし体操
舌の奥の筋肉を鍛え、飲み込む力をアップ
口を大きく開けて、舌を上下左右に動かす。
(1回10秒を1日5回)
肺炎球菌性肺炎
肺炎球菌性肺炎とは、肺炎球菌と呼ばれる
細菌が肺に入って増殖し、激しい炎症を起
こすものです。
日常かかる肺炎の中で最も多く、肺炎全体
の約25%を占め、インフルエンザ流行時期に
は50%に達するともいわれます。
急速に進行し、3日から1週間ぐらいで命に
かかわる場合もあります。
高齢者や体力低下時には、熱が出ない場合
があるので注意が必要です。
タンの色に注意
タンの色が黄色、緑、サビ色っぽくなったり
していくと、肺炎球菌のような細菌感染症が
疑われます。
尿検査による判別
最近、肺炎球菌にかかっているかどうかが
尿検査でわかるようになったそうです。
(判定までの所要時間15分程度)
肺炎球菌性肺炎を予防するために大切な
臓器は?
それは、ひ臓です。
肺炎球菌は非常に退治しにくい細菌で、普通
の細菌と違い、細胞の表面にきょう膜という
殻を持っています。
通常は、白血球が体に入ってきた細菌を食べ
て退治しますが、肺炎球菌は周囲を覆う膜が
あり、白血球はそれを敵と認識できないため
退治できないのです。
ひ臓は、左わき腹にあるこぶし大の臓器です。
かつては、あまり重要ではないと考えられて
いた臓器ですが、実は、免疫に関して大事な
働きをしていることが、近年の研究で明らか
になってきたのです。
マージカルゾーンB細胞
ひ臓には、マージカルゾーンB細胞という
免疫細胞が存在し、この細胞はひ臓だけで
しか作られないといわれており、これが肺炎
球菌感染に重要な役割を果たします。
白血球が見逃した肺炎球菌を見つけ、肺炎
球菌の膜に目印(抗体)をつけます。
これにより、通常の白血球にも肺炎球菌が
見えるようになり、退治することができるよう
になるのです。
これができるのは、マージカルゾーンB細胞
だけです。
しかし、老化とともにひ臓は小さくなリ
マージカルゾーンB細胞も減少します。
ひ臓が縮小して免疫力が低下
⇓
肺炎球菌を防止する力もダウン
予防法は?
肺炎球菌ワクチンの接種です。

肺炎球菌ワクチンは、マージカルゾーンB
細胞などを活性化させることができます。
肺炎球菌ワクチンは、年齢や地域によリ
助成が受けられるので、割安で接種する
ことができます。
助成対象年齢
65歳、70歳、75歳、80歳
85歳、90歳、95歳、100歳
(助成の程度は地域により異なります。)
※ 65歳になる前でも、糖尿病や呼吸器
疾患など持病がある人は医師と相談し
接種した方がよい場合もあります。
以上
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猛威を振るっているコロナウイルスです
が、新型コロナウイルス肺炎については
今後解明されていくものと思われます。
それでは、コロナウイルスによるもので
はない、通常の肺炎についてはどうでし
ょうか?
意外と知らないことが多いと思います。
そこで、今回は通常の肺炎についてまと
めたものを過去の記事から紹介します。
肺炎が危ない
心筋梗塞や脳梗塞に比べれば地味ですが
日本人の死因順位第3位になっているのが
肺炎です。
年寄りや抵抗力の落ちた人がかかる病気と
思われがちですが、態様によっては高齢者
だけとは限らず、風邪の症状と見過ごされる
こともあることから、注意が必要です。
また、以前TVのスポットCMで
「肺炎球菌ワクチン接種のお知らせ」が流れ
ていたので、何だろうと思った人もいると思い
ます。
その辺のところ
テレ東「主治医が見つかる診療所」(2017年放送)
での内容の要約を中心にお伝えします。
(参考)
平成28年死因順位(厚労省統計より)
1 悪 性 新 生 物 (がん)
2 心 疾 患
3 肺 炎
4 脳 血 管 疾 患
5 老 衰
6 不 慮 の 事 故
7 腎 不 全
8 自 殺
9 大 動 脈 瘤 及 び 解 離
10 肝 疾 患
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、食べ物や唾液などが誤っ
て食道ではなく気管に入り、肺に入った細菌
が繁殖することで起こる肺炎です。
高齢者や脳梗塞の後遺症がある患者など
飲食物を飲み込む嚥下機能が衰えている人
に起こりやすく、誤嚥による肺炎を繰り返すと
抗生物質が効きにくくなるため治療が困難で
死に至るケースもあるとされます。
番組のケース
番組では、40代の男性が誤嚥性肺炎にかか
った事例を紹介し、高齢に限らず誤嚥性肺炎
になる場合があることを説明していました。
強い寒気と39度の高熱症状から、風邪と判断
し市販の風邪薬で対処していたところ、その後
の検査で肺に影が見つかったという事例です。
診断結果は、誤嚥性肺炎です。
なぜ、40代で発症したのか?
隠れ誤嚥の存在
隠れ誤嚥とは、自分では誤嚥したことに気付
いていないということです。
食事中に起こるのだけが誤嚥ではない
睡眠中に細菌を含んだ唾液を気付かず飲み
込むことで、誤嚥性肺炎になることもあります。
実際に誤嚥性肺炎を起こす人の7割は
隠れ誤嚥といわれます。
隠れ誤嚥の原因
年齢とともに、飲み込む力(喉の力)が落ちる
からです。
40代から喉の力は衰えるといわれます。
喉の力の衰えは、喉仏の位置が下がること
でわかるそうです。
40代から、多くの人で喉仏の位置の低下が
見られます。
喉の力の衰え⇒隠れ誤嚥
生活習慣にも原因あり
事例の場合,睡眠時無呼吸症候群があり
うつ伏せまたは、横向きで寝るという習慣が
ついていたため、胃酸が逆流しやすい姿勢
となっていました。
横向き寝について補足説明
胃は左の方にループ(膨らみがある)して
いるため、右向き(右が下)は危なく、左向き
(左が下)では、食べ物や胃酸などは逆流し
にくいということになります。
アルコールの影響
事例では、さらに、アルコールを飲んですぐ
寝る習慣があリ、アルコールを飲むことに
よリ、飲み込む力、筋力が弱まるため、誤嚥
しやすい状態にありました。
予防法は?
口腔内衛生を保つこと
歯周病菌が唾液と共に肺に入り、肺炎を
起こす場合もあります。
右向きに寝ない
胃は左の方にループしているため
前述説明による。
誤嚥の予防に重要な働きをする栄養素
それは、葉酸です。
嚥下反射、せき反射が衰えると気管に
入ってしまいますが、このせき反射に葉酸
が大事な働きをします。
葉酸が足りなくなると、飲み込む力が低下
する場合があります。
葉酸は、ホウレンソウ、キャベツ、イチゴ、アボガドなど
に含まれますが、熱に弱く水に溶けやすい
ので、生食(サラダなど)が適だそうです。
あご押上げ体操
喉仏の周囲の筋肉を鍛える
アゴの下に両手の親指を当て、アゴと親指
で押し合い、口を横に広げ「イ-」と10秒間
声を出す。(1日5回)
ベロまわし体操
舌の奥の筋肉を鍛え、飲み込む力をアップ
口を大きく開けて、舌を上下左右に動かす。
(1回10秒を1日5回)
肺炎球菌性肺炎
肺炎球菌性肺炎とは、肺炎球菌と呼ばれる
細菌が肺に入って増殖し、激しい炎症を起
こすものです。
日常かかる肺炎の中で最も多く、肺炎全体
の約25%を占め、インフルエンザ流行時期に
は50%に達するともいわれます。
急速に進行し、3日から1週間ぐらいで命に
かかわる場合もあります。
高齢者や体力低下時には、熱が出ない場合
があるので注意が必要です。
タンの色に注意
タンの色が黄色、緑、サビ色っぽくなったり
していくと、肺炎球菌のような細菌感染症が
疑われます。
尿検査による判別
最近、肺炎球菌にかかっているかどうかが
尿検査でわかるようになったそうです。
(判定までの所要時間15分程度)
肺炎球菌性肺炎を予防するために大切な
臓器は?
それは、ひ臓です。
肺炎球菌は非常に退治しにくい細菌で、普通
の細菌と違い、細胞の表面にきょう膜という
殻を持っています。
通常は、白血球が体に入ってきた細菌を食べ
て退治しますが、肺炎球菌は周囲を覆う膜が
あり、白血球はそれを敵と認識できないため
退治できないのです。
ひ臓は、左わき腹にあるこぶし大の臓器です。
かつては、あまり重要ではないと考えられて
いた臓器ですが、実は、免疫に関して大事な
働きをしていることが、近年の研究で明らか
になってきたのです。
マージカルゾーンB細胞
ひ臓には、マージカルゾーンB細胞という
免疫細胞が存在し、この細胞はひ臓だけで
しか作られないといわれており、これが肺炎
球菌感染に重要な役割を果たします。
白血球が見逃した肺炎球菌を見つけ、肺炎
球菌の膜に目印(抗体)をつけます。
これにより、通常の白血球にも肺炎球菌が
見えるようになり、退治することができるよう
になるのです。
これができるのは、マージカルゾーンB細胞
だけです。
しかし、老化とともにひ臓は小さくなリ
マージカルゾーンB細胞も減少します。
ひ臓が縮小して免疫力が低下
⇓
肺炎球菌を防止する力もダウン
予防法は?
肺炎球菌ワクチンの接種です。

肺炎球菌ワクチンは、マージカルゾーンB
細胞などを活性化させることができます。
肺炎球菌ワクチンは、年齢や地域によリ
助成が受けられるので、割安で接種する
ことができます。
助成対象年齢
65歳、70歳、75歳、80歳
85歳、90歳、95歳、100歳
(助成の程度は地域により異なります。)
※ 65歳になる前でも、糖尿病や呼吸器
疾患など持病がある人は医師と相談し
接種した方がよい場合もあります。
以上
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