「認知症」、むかしは「恍惚の人」
- 2019/06/06
- 12:15
「認知症」、むかしは「恍惚の人」
認知症予防、初の数値目標「1割減へ」
一転、取り下げ
先月(5月)に、政府は
「認知症施策推進有識者会議」で、認知症の人
の割合を減らす、初の数値目標を示しました。
政府の数値目標
「70代の発症を10年間で1歳遅らせる」という
もので、実現すると、70代の認知症の割合が
約1割減ることになります。
つまり、今後は「予防」が
認知症対策の新たな柱になるということで
した。
ところが
6月に入りすぐに「政府は、6月中にまとめる
『認知症施策の大綱』から数値目標を取り
下げる方針を固めた」
というニュースが流れました。
理由は
ニュースによると、当事者団体から
「『認知症の人は努力が足りなかった』と
受け止められないか」と、偏見を助長する
懸念が表明されたことや、公明党も「誤った
受け止めをされないよう十分配慮すべき」
と政府に要望したことがあったようです。
認知症発症予測
2025年には、65歳以上の5人に1人
約700万人が発症する見通しで
社会保障費の抑制が急務にはなりますが
認知症を予防する方法が、まだ確立されて
いない状況では、「予防」を柱にすることは
時期尚早ということなのかもしれません。
「認知症」という言葉はいつから
使われたのか?
むかしは「認知症」とは言わなかったはず
ということから、調べてみますと
「痴呆」に替わる用語に関する検討会報告書
(平成16年12月24日)厚生労働省資料
というのがあり
これを読むと経緯がよくわかります。
要約すると
従前の呼称「痴呆」の問題点
・侮蔑感を感じさせる表現である。
・痴呆の実態を正確に表していない。
・早期発見・診断等の取り組みの支障になる。
新呼称案
要件
①一般の人々にわかりやすく、できれば短い
こと。
②不快感や侮蔑感を感じさせたり、気持ちを
暗くさせたりしないこと。
③「痴呆」と同一概念をあらわすものである
ことについて疑義を生じさせず、混乱なく
通用すること。
案
①「認知症」
②「認知障害」
③「もの忘れ症」
④「記憶症」
⑤「記憶障害」
⑥「アルツハイマー(症)」
の6つとしました。
選出方法
広く、国民や関係団体から意見募集を行う。
回答結果
・「認知障害」
1,118人(22.6%)
・「認知症」
913人(18.4%)
・「記憶障害」
674人(13.6%)
・「アルツハイマー(症)」
567人(11.4%)
・「もの忘れ症」
562人(11.3%)
・「記憶症」
370人(7.5%)
決定
結果としては、「認知障害」が一番多かった
わけですが、「認知障害」については、精神医
学の分野で、これまで多様に使われており
これを新用語とした場合には、「痴呆」とし
ての意味が混同して、混乱を招くおそれが
ある。
一方、「認知症」は新たな語であり、こうした
混乱のおそれはない。
ということで「認知症」に決定したという
ことです。
小説「恍惚の人」
1972年(昭和47年) 著者 有吉佐和子
痴呆(認知症)を扱った文学作品で
ベストセラーになりました。
そして、翌1973年には、森繁久彌主演で
映画化されました。
自分の年齢を逆算すると当時、21歳くらいで
あまり老後のことを考えることもなかった
ので、当然ながら小説を読んだ記憶もありま
せん。
ただ、映画の案内か何かを見た記憶が微かに
あり、老人になると、恐ろしいことになるか
もしれないと、あまり見てはいけない世界の
ような感じがした記憶があります。
また、恍惚という言葉の意味もよくわかりま
せんでした。
恍惚の意味
goo国語辞典には
1 物事に心を奪われてうっとりするさま。
「恍惚として聴き入る」「恍惚の境地」
2 意識がはっきりしないさま。
3 老人の病的に頭がぼんやりしているさま。
有吉佐和子著「恍惚の人」(昭和47年)により
流行した。
とあります。
まとめとして
認知症も老化現象の1つ
医学の進歩により、いろいろな病気が治癒
されるようになりましたが
個人差はあるにしろ、人間は、老化していず
れ死にます。
それは、逃れることはできませんし、その必要
もない気がします。
宇宙の法則のとおり、生まれ成長し、やがて
老いて死してゆくものだと思います。
先ほど紹介した
「痴呆」に替わる用語に関する検討会報告書
の最後に
「『認知症』になっても、その人らしく、安心
して暮らし続けられる社会が一日も早く実現
することを願って、検討会の報告とする。」
とあります。
まさに、その通りだと思います。
以上
追記
認知症は、高齢者だけでなく65歳未満で発症
する、「若年性認知症」もあります。
また、国の認知症対応施策としては、現在
認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)
があり、認知症の人が住み慣れた地域の良い
環境で自分らしく暮らし続けるために必要と
していることに的確に応えていくことを旨と
しつつ、7つの柱に沿って、施策を総合的に
推進しています。
以上、追記します。
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認知症予防、初の数値目標「1割減へ」
一転、取り下げ
先月(5月)に、政府は
「認知症施策推進有識者会議」で、認知症の人
の割合を減らす、初の数値目標を示しました。
政府の数値目標
「70代の発症を10年間で1歳遅らせる」という
もので、実現すると、70代の認知症の割合が
約1割減ることになります。
つまり、今後は「予防」が
認知症対策の新たな柱になるということで
した。
ところが
6月に入りすぐに「政府は、6月中にまとめる
『認知症施策の大綱』から数値目標を取り
下げる方針を固めた」
というニュースが流れました。
理由は
ニュースによると、当事者団体から
「『認知症の人は努力が足りなかった』と
受け止められないか」と、偏見を助長する
懸念が表明されたことや、公明党も「誤った
受け止めをされないよう十分配慮すべき」
と政府に要望したことがあったようです。
認知症発症予測
2025年には、65歳以上の5人に1人
約700万人が発症する見通しで
社会保障費の抑制が急務にはなりますが
認知症を予防する方法が、まだ確立されて
いない状況では、「予防」を柱にすることは
時期尚早ということなのかもしれません。
「認知症」という言葉はいつから
使われたのか?
むかしは「認知症」とは言わなかったはず
ということから、調べてみますと
「痴呆」に替わる用語に関する検討会報告書
(平成16年12月24日)厚生労働省資料
というのがあり
これを読むと経緯がよくわかります。
要約すると
従前の呼称「痴呆」の問題点
・侮蔑感を感じさせる表現である。
・痴呆の実態を正確に表していない。
・早期発見・診断等の取り組みの支障になる。
新呼称案
要件
①一般の人々にわかりやすく、できれば短い
こと。
②不快感や侮蔑感を感じさせたり、気持ちを
暗くさせたりしないこと。
③「痴呆」と同一概念をあらわすものである
ことについて疑義を生じさせず、混乱なく
通用すること。
案
①「認知症」
②「認知障害」
③「もの忘れ症」
④「記憶症」
⑤「記憶障害」
⑥「アルツハイマー(症)」
の6つとしました。
選出方法
広く、国民や関係団体から意見募集を行う。
回答結果
・「認知障害」
1,118人(22.6%)
・「認知症」
913人(18.4%)
・「記憶障害」
674人(13.6%)
・「アルツハイマー(症)」
567人(11.4%)
・「もの忘れ症」
562人(11.3%)
・「記憶症」
370人(7.5%)
決定
結果としては、「認知障害」が一番多かった
わけですが、「認知障害」については、精神医
学の分野で、これまで多様に使われており
これを新用語とした場合には、「痴呆」とし
ての意味が混同して、混乱を招くおそれが
ある。
一方、「認知症」は新たな語であり、こうした
混乱のおそれはない。
ということで「認知症」に決定したという
ことです。
小説「恍惚の人」
1972年(昭和47年) 著者 有吉佐和子
痴呆(認知症)を扱った文学作品で
ベストセラーになりました。
そして、翌1973年には、森繁久彌主演で
映画化されました。
自分の年齢を逆算すると当時、21歳くらいで
あまり老後のことを考えることもなかった
ので、当然ながら小説を読んだ記憶もありま
せん。
ただ、映画の案内か何かを見た記憶が微かに
あり、老人になると、恐ろしいことになるか
もしれないと、あまり見てはいけない世界の
ような感じがした記憶があります。
また、恍惚という言葉の意味もよくわかりま
せんでした。
恍惚の意味
goo国語辞典には
1 物事に心を奪われてうっとりするさま。
「恍惚として聴き入る」「恍惚の境地」
2 意識がはっきりしないさま。
3 老人の病的に頭がぼんやりしているさま。
有吉佐和子著「恍惚の人」(昭和47年)により
流行した。
とあります。
まとめとして
認知症も老化現象の1つ
医学の進歩により、いろいろな病気が治癒
されるようになりましたが
個人差はあるにしろ、人間は、老化していず
れ死にます。
それは、逃れることはできませんし、その必要
もない気がします。
宇宙の法則のとおり、生まれ成長し、やがて
老いて死してゆくものだと思います。
先ほど紹介した
「痴呆」に替わる用語に関する検討会報告書
の最後に
「『認知症』になっても、その人らしく、安心
して暮らし続けられる社会が一日も早く実現
することを願って、検討会の報告とする。」
とあります。
まさに、その通りだと思います。
以上
追記
認知症は、高齢者だけでなく65歳未満で発症
する、「若年性認知症」もあります。
また、国の認知症対応施策としては、現在
認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)
があり、認知症の人が住み慣れた地域の良い
環境で自分らしく暮らし続けるために必要と
していることに的確に応えていくことを旨と
しつつ、7つの柱に沿って、施策を総合的に
推進しています。
以上、追記します。
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