飛んで脳梗塞
- 2018/04/16
- 17:00
飛んで脳梗塞
むかし、「飛んでイスタンブール」という曲が
ありました。
失恋した女性のセンチメンタル・ジャーニー
を描いた歌でしたが、飛行機に乗って海外
の地(トルコ・イスタンブール)に行くという
ある種ロマンも感じられました。
しかし、今回の話は、体の中のある場所から
ある物が飛んで脳に行き、とんでもないこと
になるという、ある意味で理不尽な話です。
そして、発症するとおよそ半数の人が寝た
きりや車イス生活になり、命を奪われる人も
少なくないといいます。
NHK「ガッテン」の内容を基にまとめました。
重度の脳梗塞

重度の脳梗塞が増えているそうです。
通常の脳梗塞を軽度の脳梗塞とすれば
それを上回る脳梗塞であって、原因も
異なります。
生存率(1年生存率)比較
軽~中程度の脳梗塞では、80%ですが
重度の脳梗塞になると、50%に低下します。
軽度の脳梗塞と重度の脳梗塞の
メカニズムの違い
血栓の違い
軽度の脳梗塞の場合の血栓

重度の脳梗塞の場合の血栓
巨大血栓になる

巨大血栓はどこでできる?
巨大血栓は血管ではなく、心臓で発生します。
それは心房細動(心臓の震え)が原因
巨大血栓ができる理由
心臓の震えで、巨大血栓ができるのか?
番組では、人工心臓での実験の様子を紹介
していました。
心臓の動きが正常な場合は、血液の流れは
スムーズでしたが、人工心臓の動きを細かく
震えた時の状態に近づけると、流れがよどみ
大きな血の塊ができていました。
血液がよどむと血栓ができてしまいます。
巨大血栓の行方
左心房→左心室→大動脈→脳の血管へと
血栓は細長くなり進みますが、脳の血管の
上流部分にくると詰まってしまい、広い範囲
にダメージを与えることになります。
心房細動と認知症との関連性
心房細動のある認知症患者の脳のMRI画像
を見ると、異なる場所でいくつもの小さな
脳梗塞が起きたことがわかります。
これは、心臓でできた血栓が大きくなる前に
次々に飛び出し脳にダメージを与え、認知症
を引き起こした可能性があるといいます。
心房細動がある人は、いくつか小さな脳梗塞
が時間差で出現し、一個一個だと無症状だが
これが積み重なると認知症の引き金を引く
可能性があるということのようです。
心房細動に気づく方法
心房細動は自覚できるのか?
日本人で心房細動が起きている人は
170万人ぐらいいると考えられています。
検査で心房細動と診断された人の
自覚症状の有無
「自覚症状なし」という人が 38%
「動機・息切れを感じた」という人が 62%
でした。
循環器専門医の話
発症初期の心房細動は、ずっと頻繁に発作が
起きるわけではなく、たまにしか起きない場合
がほとんどです。
医療機関を受診しても、(震えが)起きてないと
心電図も正常と出てしまいますので、見逃され
る可能性が十分にあります。
家庭で脈を取って調べる
取り方
親指の付根に、人さし指、中指、薬指を少し
立てて当てる(安静時)
異常な脈のリズムとは?
(心房細動を疑う脈)
・不規則
・速い(15秒間に25回以上)
・遅い(15秒間に10回以下)
以上の脈の場合は注意、心房細動が
疑われます。
血圧計の利用

血圧計の脈拍表示で、ふだん70ぐらいの
人が、あるとき測ったら120~130が出たと
いう場合は、心房細動が起きていることが
十分考えられます。
また、表示がエラー、測定不能になる場合も
心房細動が疑われます。
心房細動の起きやすい時間帯
150件の心房細動のデータ集計から調べる
と、リラックスしている夜間に起きやすいこと
がわかりました。
つまり、副交感神経が優位なときに
心房細動が発症しています。
脈を取るなら朝起きてすぐや寝る前
心房細動が起きやすい人
高齢者に起きやすい疾患ですが
生活習慣病も大きな要因になります。
高血圧 → 心臓に負担がかかる
酒 → 副交感神経(自律神経)が乱れる
肥満 → 心臓に脂肪がつきやすい
心臓(周囲)脂肪
心臓(周囲)脂肪が多い人ほど、心房細動が
起きやすいということが、最近わかってきた
そうです。
心房細動が見つかった場合の対策
抗凝固薬(血栓の生成を防ぐ)の服用
※医師の処方薬
血栓ができなければ、心房細動があっても
日常生活を送ることは可能です。
運動
1日30分程度の適度な運動で症状の軽減が
期待できるそうです。
手術(心臓の震え自体を止める)
カテーテルアブレーション
カテーテルを足の付け根の血管から通して
左心房へ導き、震えの原因となっている部分
を内側から焼いて、震えの発生を防ぎます。
近年は、手術設備の性能向上で治療成功率
向上につながっているといいます。
年間約5万人が手術を受けているそうです。
まとめ
番組では
脈の測定については、まずは1週間測定し
異常な脈を複数回確認したら、循環器内科
への受診を勧めていました。
心臓が悪いのに脳梗塞になることがある
という、一種盲点のような話だと思います。
また、心臓に脂肪がつくということも
今まで、あまり聞いたことがなかったように
思います。
認知症についても、心房細動のある人では
認知機能が低下しやすく、認知症のリスク
が高まるということがわかりました。
以上
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むかし、「飛んでイスタンブール」という曲が
ありました。
失恋した女性のセンチメンタル・ジャーニー
を描いた歌でしたが、飛行機に乗って海外
の地(トルコ・イスタンブール)に行くという
ある種ロマンも感じられました。
しかし、今回の話は、体の中のある場所から
ある物が飛んで脳に行き、とんでもないこと
になるという、ある意味で理不尽な話です。
そして、発症するとおよそ半数の人が寝た
きりや車イス生活になり、命を奪われる人も
少なくないといいます。
NHK「ガッテン」の内容を基にまとめました。
重度の脳梗塞

重度の脳梗塞が増えているそうです。
通常の脳梗塞を軽度の脳梗塞とすれば
それを上回る脳梗塞であって、原因も
異なります。
生存率(1年生存率)比較
軽~中程度の脳梗塞では、80%ですが
重度の脳梗塞になると、50%に低下します。
軽度の脳梗塞と重度の脳梗塞の
メカニズムの違い
血栓の違い
軽度の脳梗塞の場合の血栓

重度の脳梗塞の場合の血栓
巨大血栓になる

巨大血栓はどこでできる?
巨大血栓は血管ではなく、心臓で発生します。
それは心房細動(心臓の震え)が原因
巨大血栓ができる理由
心臓の震えで、巨大血栓ができるのか?
番組では、人工心臓での実験の様子を紹介
していました。
心臓の動きが正常な場合は、血液の流れは
スムーズでしたが、人工心臓の動きを細かく
震えた時の状態に近づけると、流れがよどみ
大きな血の塊ができていました。
血液がよどむと血栓ができてしまいます。
巨大血栓の行方
左心房→左心室→大動脈→脳の血管へと
血栓は細長くなり進みますが、脳の血管の
上流部分にくると詰まってしまい、広い範囲
にダメージを与えることになります。
心房細動と認知症との関連性
心房細動のある認知症患者の脳のMRI画像
を見ると、異なる場所でいくつもの小さな
脳梗塞が起きたことがわかります。
これは、心臓でできた血栓が大きくなる前に
次々に飛び出し脳にダメージを与え、認知症
を引き起こした可能性があるといいます。
心房細動がある人は、いくつか小さな脳梗塞
が時間差で出現し、一個一個だと無症状だが
これが積み重なると認知症の引き金を引く
可能性があるということのようです。
心房細動に気づく方法
心房細動は自覚できるのか?
日本人で心房細動が起きている人は
170万人ぐらいいると考えられています。
検査で心房細動と診断された人の
自覚症状の有無
「自覚症状なし」という人が 38%
「動機・息切れを感じた」という人が 62%
でした。
循環器専門医の話
発症初期の心房細動は、ずっと頻繁に発作が
起きるわけではなく、たまにしか起きない場合
がほとんどです。
医療機関を受診しても、(震えが)起きてないと
心電図も正常と出てしまいますので、見逃され
る可能性が十分にあります。
家庭で脈を取って調べる
取り方
親指の付根に、人さし指、中指、薬指を少し
立てて当てる(安静時)
異常な脈のリズムとは?
(心房細動を疑う脈)
・不規則
・速い(15秒間に25回以上)
・遅い(15秒間に10回以下)
以上の脈の場合は注意、心房細動が
疑われます。
血圧計の利用

血圧計の脈拍表示で、ふだん70ぐらいの
人が、あるとき測ったら120~130が出たと
いう場合は、心房細動が起きていることが
十分考えられます。
また、表示がエラー、測定不能になる場合も
心房細動が疑われます。
心房細動の起きやすい時間帯
150件の心房細動のデータ集計から調べる
と、リラックスしている夜間に起きやすいこと
がわかりました。
つまり、副交感神経が優位なときに
心房細動が発症しています。
脈を取るなら朝起きてすぐや寝る前
心房細動が起きやすい人
高齢者に起きやすい疾患ですが
生活習慣病も大きな要因になります。
高血圧 → 心臓に負担がかかる
酒 → 副交感神経(自律神経)が乱れる
肥満 → 心臓に脂肪がつきやすい
心臓(周囲)脂肪
心臓(周囲)脂肪が多い人ほど、心房細動が
起きやすいということが、最近わかってきた
そうです。
心房細動が見つかった場合の対策
抗凝固薬(血栓の生成を防ぐ)の服用
※医師の処方薬
血栓ができなければ、心房細動があっても
日常生活を送ることは可能です。
運動
1日30分程度の適度な運動で症状の軽減が
期待できるそうです。
手術(心臓の震え自体を止める)
カテーテルアブレーション
カテーテルを足の付け根の血管から通して
左心房へ導き、震えの原因となっている部分
を内側から焼いて、震えの発生を防ぎます。
近年は、手術設備の性能向上で治療成功率
向上につながっているといいます。
年間約5万人が手術を受けているそうです。
まとめ
番組では
脈の測定については、まずは1週間測定し
異常な脈を複数回確認したら、循環器内科
への受診を勧めていました。
心臓が悪いのに脳梗塞になることがある
という、一種盲点のような話だと思います。
また、心臓に脂肪がつくということも
今まで、あまり聞いたことがなかったように
思います。
認知症についても、心房細動のある人では
認知機能が低下しやすく、認知症のリスク
が高まるということがわかりました。
以上
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